【古懸山・國上寺】青森県平川市
寺社の基本情報
寺社名 : 古懸山・國上寺
宗派 : 真言宗智山派
御朱印 : あり
創立年 : 推古天皇18年(610)
その他 : 東北三十六不動尊霊場第13番札所(札所本尊:ねまり不動)
津軽弘法大師二十三ヶ所霊場第23番札所
津軽八十八ヶ所霊場第63番札所
津軽一代様(干支:酉年、守り本尊:不動明王)
御由緒・歴史
聖徳太子の命令により阿闍羅山に伽藍を建立。円智上人が本尊不動明王を草創。
建長6年(1258)に北条時頼公が古懸に移し、鎌倉将軍家数代の祈願所とした。
その後津軽家が国家鎮護と崇め、古懸山不動院國上寺と改める。津軽家代々の祈願所として明治維新による背反まで寺務を相続した。
明治26年炎上焼失。殆どが焼失された。不動明王も焼けたが、その年に復元され現在まで変わることなく信仰されている。
【不動明王】
津軽三不動尊の一つ。珍しい『ねまり不動』が有名。
一体の木より三体の不動明王を作る。
・ 長谷沢神社(黒石市六郷)
・ 中野神社(黒石市山県)
・ 國上寺
【津軽領内真言五山】
再難除け吉凶を占うものとして多くの人から崇拝されている。
・ 最勝寺
・ 久渡寺
・ 百沢寺
・ 橋雲寺
・ 國上寺
【古懸の由来】
昔鬼神のお松と言う山賊が徳一という子供を産む。
エスコの中に入れて松の枝に掛けておいたのが『子掛』となり、『子懸』から今の『古懸』になったと伝えられている。
境内の様子
狛犬
・ 今まで見てきた中では珍しいとびかかるような、お尻を突き出した姿。
・ 唖形型の耳が垂れているのがグッド。
・ お尻を突き出す・たれ耳の特徴のある狛犬は、『北前船』で出雲から広まったものとのこと。
・ 青森と北前船は古くから歴史がある。野辺地・深浦・鰺ヶ沢に船が寄港している記録が残る。
護摩堂
・ よくテレビで見る護摩行を行う場所。
・ 明治の大火を免れた建築物。
本殿
・ 木鼻は獅子。
・ 墓股に鳳凰の彫刻。
・ 獅子は魔を祓い、悪を食べる。
・ 鳳凰は聖徳を備えた天子が出現する兆し、瑞祥をもたらす霊長。
不浪寄八幡宮
・ お寺の境内にある神社。
・ 鳥居は石造りの明神系の両部鳥居。
・ 笠木・島木があり反り増しがある。柱頂部に円形の台輪付き。
・ 狛犬も國上寺の造形と似ており、お尻を突き出したたれ耳。
・ 石碑に龍が絡みついている。五穀豊穣や水神様か?
御朱印の情報
あり。
津軽三不動尊霊場の御朱印。
『不動尊』・『懸』の字体の力強さよ。
雰囲気
碇ヶ関の道の駅からグネグネとした山道を進んでいくと、小さな集落へと行きつく。何もないような集落なのに、急に立派な寺社が見えてくる。
開けた場所にあり、何となく明るい感じがした場所だった。
天気が晴れていた、と言うこともあるが、雰囲気があたたかく・照らされているように感じた場所だった。
狛犬の造形を帰宅後に持っている本などで調べる。
素人目線では「垂れ耳でこの格好…家で飼っているワンコに似てるなぁ」と言う感想しかなかった。
しかし調べてみると面白いもので、出雲や広島に似たような造形のものが多いという。北前船に乗って流れ着いたのか?出雲と言えば阿国が有名だし、そういうもので伝来したのか?など歴史に馳せていた。
寺務所の方に「本殿の中もどうぞ」、と言われ中に入ることに。
御簾の向こうに不動明王が………参拝中も思わず姿勢を正していた。機会があれば、是非その姿を拝見したい…。
お不動様は『人々を災いや迷いから救ってくださる』と言われている。御利益に【疾病退散の守護神】とあるので、家族を疾病からお守りください、と願い帰路についた。