【早池峰神社】岩手県花巻市
神社の基本情報
・ 神社名 : 早池峰神社
・ 住所 : 〒028-3201 岩手県花巻市大迫町内川目第1地割1
・ 御朱印 : 御朱印有り
・ 創立年 : 大同2年(807)
・ 創設者 : 田中兵部・始閣藤蔵
御由緒 ・ 歴史
正安2年(1300)に越後の国の住人である阿闍梨円性が、天下の霊地であるとこの地にとどまる。早池峰大権現を奉った。
慶長13年(1609)に南部利直が巡視中に参詣。領内海陸總鎮守とする。
本殿の御由緒・歴史
【岩手県指定重要文化財】
神仏混交の時代には新山堂と呼ばれる。
天正19年(1591)に南部氏の支配下に置かれる。それから明治初年の廃仏毀釈まで妙泉寺が別当を務める。
早池峰山が盛岡藩の城東にあり、重要性を増す。それにより南部氏により整備されていった。
南部利直公・大迫地行の田中彦右衛門の金子・人手の提供により、新山堂・本宮・神楽殿・鳥居・客殿が造営された。
現在の早池峰神社は過去に二回修復されている。
しかし内障柱・軸組、木鼻の手法、本殿の軒周りの装飾などは、慶長期に造営された当時の力強い手法が残されている。また衣装は素朴ながらも優れている。
(※境内御由緒参考)
御祭神
瀬織津比売神(せおりつひめ)
・ 水の神・川の神・龍の神。
・ 『祓戸四神』の一柱。
・ 人の穢れを祓い、禊を司る神様。
御神徳
水難防止、厄除け、勝運合格、開運隆盛、立身出世、子授、などなど
御祭典
例祭 8月1日
春祭 3月17日
年越祭 12月17日
月決祭 毎月1日
境内の施設
【鳥居】
・ 笠木・鳥木にそり有り。
・ 柱頂部に台輪がある。
・ 柱の下に藁座あり。
・ 神社名がするされた額束あり。
これらの特徴から…
【明神系・稲荷鳥居】ではないかと思われる。
特徴として柱頂部に円盤状の台輪がつけられている。
台輪は防腐効果を期待したものとも言われている。
それにより台輪鳥居とも言われている。
【狛犬】
・ 阿吽両方ともに、台座にしっかりと足を降ろしとどめている。
・ 玉などを足元に置いていない。
・ 角はない。
・ 静かに社殿に居られる神々をお守りしている雰囲気を出す忠犬の様子を出している。
【拝殿の彫刻】
・ 獅子の他にゾウ。
・ ゾウが見られるのは神仏習合の名残。
・ 仏教においてゾウは、普賢菩薩の乗り物で、仏法を守る霊獣の扱い。
・ ゾウは延命長寿・招福・魔除けの御利益をもつ縁起物。
【神楽殿・舞殿】
・ 場所的に神門の手前にあり。
・ 正面に柱はなく、見やすい造りになっている。
・ 神楽殿の高さは少し高くなっているのは、神様が見やすいように配慮されている。
【摂社・末社たち】
【神門】
・ 2階建てではなく1階建てのため、楼門ではない。
・ 左右に守護神が並んでいる。
・ ↑のことから随神門。
御朱印の情報
御朱印有り。
境内ではなく、近くにある民宿・『大和坊』様より拝受いただける。
・ 向かい鶴の家紋は南部氏。
・ 初穂料は300円。
雰囲気
神社までの道中は心配になるくらいに何もない。
一応途中に道の駅やダムがあるが、本当に何もない。
車のナビに従い信じて車を走らせると、小さいながらも集落らしき場所に行きつく。
集落の坂道を少し上がっていくと、【早池峰神社】の鳥居を拝むことができる。
花巻市内からここまで運転していて、山奥にひっそりと佇み、言葉は悪いがあまり手入れが行き届いていないような神社なんだろうなぁ、と勝手に思い込んでいた。
しかしいざ来訪・参拝して感じたことは、まことに申し訳ございませんでした、と言う神社にも管理してくださる方々、近隣の方々への謝罪だった。
境内の施設はしっかりと手入れがされており、手水舎の水も綺麗だった。
参道にはゴミが無く、御由緒の看板も文字のかすれがなく見やすかった。
地元の方々に愛され・大事にされていることが良く分かった。
鳥居をくぐり神門までの参道もしっかりと整備されていた。
苔が生えていることさえも、俗世と聖域とを分け隔てているような材料に見えていた。
立派な神楽殿もあり、ユネスコの無形文化遺産に登録されている神楽もあるとのこと。神社への道中に資料館があったが、ワイが参拝時は休館日だった。流石にこの季節(冬)に山越えはきついので、そのうちどこかに行くついでに寄れたら寄りたい…。
立派な神門をくぐると階段があり、その先にうっすらと拝殿が見える。
天気も珍しく良く(道中は小雨だったが…)、誰もいない空間を独り占めしながらの参拝だった。
山奥で木々にも囲まれているが、空気は澄んでおり、聖域から神域への境目は何か圧倒的な雰囲気が宿っていた。
無人ではあるがそこに神が居るように感じられた。
以前訪れた岩木山神社の様に、お山の力が宿っているのだろう。
神は細部に宿る、と言うように、社殿だけでなく道中の鳥居・参道・神門などの全ての場所に神々の伊吹が宿っている、そんな場所のように思えた。
参拝時はいつものように無事に着けたことの感謝と、帰宅路の天気が悪化しないこと・事故が無いようにお願いした。
自己はなかったが、天気は小雨程度でおさまった。