多賀神社(清水観音堂)/I can fly!
基本情報
神社名 : 多賀神社
読み方 : たがじんじゃ
住所 : 青森県弘前市桜庭清水流104(社務所)
御朱印 : あり
創建年 : 天平3年(731)or大同2年(807)
創建者 : 行基 or 坂上田村麻呂
その他 : 津軽三十三ヶ所霊場第二札所(その②)
津軽一代様・子年の一代様
歴史
元々は仏教を布教する際に、西目屋村高森の岩窟に千手観音像を彫って安置したのが始まり。
安置された後は、老松が白い花を咲かせたところから『花咲観音』と呼ばれ人々の信仰を集めていた。
歴代津軽藩主からの厚い庇護儲け、長い間この地に鎮座されていた。
四代目藩主信政港の時代にこの地に再興したのに伴い、御本尊の千手間の運も遷座した。そして京都の清水寺の舞台を模した本殿を建立したという。
本殿の裏側には大きな岩があり、その間からは清水が迸っている。このことから【清水の観音様】と呼ばれるようになった。
明治に入ると神仏分離令により、清水観音堂は現在の社名である【多賀神社】となった。
御本尊である千手観音像は弘前市禅林街にある【桜庭山陽光院】に移され、年に一回の御開帳が行われている。
津軽一代様とは?
津軽地方には独自の信仰形態がある。
自身の生まれ年の守り神を本尊とする神社仏閣を信仰すること。
津軽一代様が成立・確立した時期は不明だが、津軽藩二代目藩主である信牧公が、自分の一代様である『八幡大菩薩』を城の鬼門に創建したことから、江戸時代以前からの習慣だと思われている。
子年・千手観音菩薩 : 多賀神社・目屋の清水観音
丑寅年・虚空菩薩 : 求聞寺・百沢の虚空菩薩様
兎年・文殊菩薩 : 金剛山最勝院・最勝院の文殊様
弘前天満宮・茂森の天満宮
辰巳年・普賢菩薩 : 橋雲寺(愛宕神社)・愛宕様(将軍地蔵)
午年・勢至菩薩 : 白山姫神社・袋の観音様
未申年・大日如来 : 大圓寺・大鰐の大日様
酉年・不動明王 : 国上寺・古懸の御不動様
戌亥年・八幡大菩薩 : 弘前八幡宮・弘前の八幡様
御祭神
・ 伊弉諾尊
御神徳
夫婦和合、縁結び、殖産新興、厄除け
御祭日
8月17日 : 例大祭
境内の様子
【一の鳥居】
笠木 : 反り増しあり
島木 : あり・反り増しあり
木鼻 : あり
楔 : あり
額束 : あり
その他 : 石造り・柱の上部に台輪がある
・ 特徴から明神鳥居の派生鳥居である、台輪鳥居だと思われる
・ 全体像がうつっていないのは、鳥居の前に車が止まっていたから
・ 子年の一代様ということで、子年の看板(?)がある
【二の鳥居】
笠木 : 反り増しあり
島木 : あり・反り増しあり
木鼻 : あり
楔 : あり
額束 : あり
その他 : 柱の前後に別の柱がある
・ 明神鳥居の派生型の両部鳥居
・ 神仏習合の名残
・ 他にも四足鳥居とも言われる
【神門】
・ 二の鳥居をくぐった後は神門まで山道を進む
・ 時期的にまだ雪が残っていた
・ 神門の両脇には随身代わりに、馬の神像が祀られている
・ ずんぐりとした力強い見た目から南部駒かな?
【狛犬】
髪・眉 : 前髪カール・おかっぱの様に下がっている、眉は前髪で分からない
目・鼻 : 瞳がある、鼻はそこまで目立たない
口・歯 : 唇はあまり目立たない、歯は四角く並んでいる
尾 : ひも状で背中に張り付いている
・ 神門をくぐった後は、階段を上る
・ 雪と枝が…
・ 狛犬は少々変わった姿をしていた
・ 見た目的に弘前八幡宮に居たのに似ている気がする
・ 石造の狛犬は弘前八幡宮と熊野奥照神社の狛犬とは、年紀と石質・形態と同一とのこと
・ 越前禿型の狛犬とのこと
・ 1600年代から存在している形とのこと
【清水観音堂】
創建年 : 慶長15年(1610)
創建者 : 桜庭信光
その他 : 亡父信政のために、桜庭山陽光院として開山
歴史
津軽藩二代目藩主信牧公の命令によって現在の地に移された。
万治元年には四代目信政公が観音像を祀る。
万治3年(1660)に、京都の清水の舞台を模して高楼を建立。
それ以降は通称【清水の観音】として津軽一円から深く崇敬されてきた。
明治3年(1870)の神社仕分により、多賀神社と改称されて今日に至る。
・ 清水の舞台の様な足組
・ 山道の上に建っている。建立時は大変だったろう
・ 積雪時は無理だなぁ
・ 清水同様に高い
・ 空気が澄んでいて気持ち良かった
・ 拝殿内はこじんまりとしている
・ 参拝時は足場がない上にいたのねぇ
【清水龍神大神】
・ 湧水が流れている
・ 霊験あらたかな雰囲気
・ 巨石とのバランスが…
御朱印について
あり。
鳥居近くにあり。
まとめ・感想
看板に大きく矢印の案内板があり分かりやすい。
しかし駐車場らしきものがないため注意が必要。筆者は少し離れた場所に置き、歩いて参拝してきた。
鳥居の前までは暖かい陽気だったが、鳥居をくぐったあとは、空気が澄み冷たい感じがした。
冷たいといってもぞくぞくするようなものではなく、気持ちが良いものだった。
本殿は写真では見たことがあったが、実物は迫力が違う。
造りはしっかりとしている。下の鳥居からは殆どその姿を見ることができないため、これは登って来た者だけが見れるものだろう。
下から見えないため、舞台に上がっても見晴らしなどはあまりよろしくない。しかし晴れ晴れとした清々しい空気と雰囲気を味わえる。
マイナスイオン的なモノには無頓着な筆者でも、何かしらのパワーを山林と裏手の龍神大神から頂いた気がした。