天王神社/今年は時期が早いけど朱い
時期が合えば境内全てが朱く染まる神社。青森の春の名物と言えば弘前城の桜が有名だが、七戸のつつじも地元では有名。桜とはまた違った美しさは見物。この状態でも、もうすでに散り際だという。いつもは大体5月の連休位から染まるとのこと。
基本情報
神社名 : 天王神社
読み方 : てんのうじんじゃ
住所 : 青森県上北郡七戸町天王12ー1
御朱印 : あり
※イベント時
建立年 : 応永元年(1394)
創立者 : 不詳
その他 : 境内に樹齢300年、500本あまりのつつじが育っている
歴史
七戸城から見て北東の方角にあるため、鬼門鎮護の守護神だったとも考えられている。
十二支から見ると牛である牛頭天王(素戔嗚尊)が勧請されたと思われている。
宝暦元年(1751)に天王神楽が伝えられ、旧暦6月の満月の宵から3日間奉納される神事として現在も受け継がれている。
古くから神仏習合されてきていたが、明治初頭に発令された神仏分離令により、仏式が配され社号を【須賀神社】に改めている。
その後、皇子より慣れ親しんだ社号に近い【天王神社】に改称されている。
また神社の一つの特徴として、各地に点在する神社の習わしを合わせて作られた珍しい神社とも言われている。
境内には樹齢300年、500歩余りのつつじが育っている。
七戸町の観光名称の一つとして、5月中旬には多くの観光客・参拝者が訪れている。
天王神楽?
・ 伊勢神楽の流れを汲む
・ 優雅な舞と哀調
・ 美しい調べが特徴の伝統芸能
須賀神社?
・ 間違っても東京の四谷にある某映画のラストシーンの神社ではない
・ 牛頭天王=素戔嗚尊
・ 全国的にも牛頭天王を祀っていた神社は祭神を素戔嗚尊に改め、神社名も須賀神社などに改称している
御祭日
例祭日 : 10月10日
御祭神
・ 素戔嗚尊
・ 櫛稲田姫命(素戔嗚尊の后神)
・ 八王子命(素戔嗚尊の御子神)
御神徳
【素戔嗚尊】
神格
・ 防災除疫の神
・ 木の神・根の国神
・ 日本で初めて和歌を詠んだことから【歌人の神】とも
・ 農業神
御利益
縁結び、学問上達、文学上達、病難除法、水難除法、火難除法、五穀豊穣、厄除け、商売繁盛、病気平癒、林業守護など
【櫛稲田姫命】
神格
・ 農耕神
・ 稲田の神
御利益
稲作守護、縁結び、夫婦和合、金運招福、衣食住守護、厄除開運
【八王子命】
神格
・ 母と子の守護神
・ 仏神の一つ
・ 有意・善意・無量意・宝意・憎意・除疑意・背意・法意の八人の王子⇒八王子
御利益
五穀豊穣、無病息災
境内の様子
【鳥居】
笠木 : 水平
島木 : なし
木鼻 : あり
楔 : あり
額束 : あり
その他 : 柱の下に台がある
・ 神明系鳥居の【宗忠鳥居】
・ 冬場と春の風景は全く違う
・ 2017年の鳥居は古い感じだが、今年のつつじ祭り時の鳥居は新しくなっている。6年で直したのか?
【手水舎】
・ 鳥居をくぐってすぐの場所にあり
・ 参道手前
・ 手水舎には屋根などはなく、時期に寄るが花びらが浮かんでいる
【参道】
・ 階段は【男坂】と言い【108段】ある
・ 階段の段差は一定ではないため登りにくい
・ 冬場は雪で覆われ危なく、寂しい感じがする
・ 春のつつじ祭り時には、左右が朱色に染まり同じ場所のように感じられない位に華やか
・ 【女坂】はゆるやかな坂道になっており、冬場は雪深く通れない。つつじの時期は眼前が朱色に
【狛犬】
髪・眉 : 前髪カールしており、眉は隠れている
口・歯 : 唇が目立っている。四角い歯があり、牙も目立っている
髯 : 顎髭があり、髪同様にカールしている
耳 : 伏せ耳で横に開いている
目・鼻 : 大きく目を見開き、瞳もある。鼻は大きく獅子鼻
毛・尾 : 体に張り付いた毛並みで、尾は立ち尾
手足 : 手足はがっしりとしており、爪も立っている
姿勢 : 腰を下ろしお座り姿勢。背は丸まっていない
・ 階段の参道を登ってくると狛犬と目がある場所に鎮座される
・ 社殿のすぐ横に鎮座されている
【社殿】
・ 屋根の造りから、入母屋屋根の権現造
・ 唐破風向拝付
・ 木造で、白い部分は漆喰だとか
・ 木鼻には獅子。燃えるような荒々しい毛並み
・ 祭りの時以外は基本的に無人なため、祭りの時とは雰囲気が全くの別物に
・ 誰も居ないと寂しく悲しい気分になるが、人が居ると華やかで温かいような雰囲気がある
・ 無人ではあるが、冬場は近所の方々が拝殿周りを雪かきされている
・ 無人ではあるが、荒廃した雰囲気はない
【末社・摂社】
・ 少し斜めかかっている
・ 手前には桜
【祭り中の拝殿周りの様子】
・ 基本的には無人だが、拝殿の左隣に社務所が存在する
・ 祭り中はそこで『けいらん・抹茶・生姜ミソこんにゃく』を販売している
・ 社務所で祭りの期間中に御朱印の授与も行われている
・ 少しでも時期がずれるとつつじの咲き具合が変わるが、大体は5月の初めが一番か
・ 弘前の桜も綺麗だが、こちらのつつじも見物だろう
・ 下から見上げると朱色の中に、黒い社殿が浮かんでいるように見える
御朱印について
あり。
祭り期間中は社務所でいただける。
初穂料は300円。
まとめ・感想
境内・参道が朱色に染まる姿は見物。時期や条件が合うと、拝殿前の桜も咲いて綺麗さが増す、と地元の知り合いや職場の同僚が話されていた。桜は桜の良さがあるように、つつじの朱色一色の華やかさだって桜にも負けていないと個人的には思っている。
参道の階段は結構急で登りにくく、女坂の方も同じように急になっている。足腰の弱い方々はここを登らずに、向かいにある七戸城址から眺めるのも趣があって良いだろう。
祭り時には県内外から多くの方々が参拝に訪れるが、近くには臨時駐車場の他に、七戸役場の駐車場も解放されている。そこから徒歩でも直ぐの場所に鎮座されている。
道中の歩道は狭く、直ぐが車道のため、見学時は車や地元の方々の迷惑にならないように気を付ける必要がある。
境内は落ち着いた雰囲気がある。祭りで賑やかだろうが、冬場の無人だろうが関係なく、ゆっくりとした温かい雰囲気を感じられる。無人でも人の温かみを感じられる不思議な場所だった。
祭り期間中は夜間のライトアップも見物だとか。夜間は訪問したことが無いが、一度は訪れるのも良いのかもしれない。