近場や穴場の神社紹介。地元の紹介。

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富野山般若寺・富野猿賀神社/平川の猿賀神社とは違う場所

芦野公園の桜を見に行くついでに、桜が綺麗な神社と聞いて来訪。
(元々は弘前、平川の桜見に行こうと思ったが、あまりの渋滞ぶりに心折れたのが原因)
近くに津軽赤倉山神社もあるよ!

基本情報

神社名  : 富野猿賀神社
住所   : 中泊町大字富野千歳66

御朱印  : あり
建立年  : 文政8年(1815)
創立者  : 般若寺の住職・覚範
その他  : 『下』の猿賀様の別称

寺院名  : 般若寺
宗派   : 天台宗
山号   ; 富野山
正式名称 : 富野山般若寺
御朱印  : あり
開山   : 老弁
開山年  : 元禄11年(1698)
その他  : 駐車場有

歴史

富野猿賀神社は文政8年に平川市にある猿賀神社の分霊を勧請したのが始まり伝わる。
平川市の猿賀神社を『上』とし、当神社は『下』の猿賀様の別称がある。地元住民からも身近な存在だったと思われる。古来より神仏習合していた。明治初頭に発令された神仏分離以降も形式的には分離している。
現在も般若寺境内に存在し、当時の名残も感じられる。
般若寺の前身とされる自性院の創建が元禄11年。
天文元年(1736)に編纂された富野村の検地帳の記載によると、天明3年(1783)に本堂が再興。その時に寺号を【般若寺】に改称。
猿賀神社を創建したことで文政8年に、平川市にある猿賀神社の別當寺院である【神宮寺】の末寺となっている。
当社は岩木川に近く十三湖・日本海とも通じていることから、農業・交通・海運に御利益がある御祭神が信仰されてきていた。江戸時代後期から明治時代に掛けて、岩木川舟運の関係者によって崇敬・奉納された『舟絵馬』がある。
これらの絵馬は色彩や構図の評価だけでなく、奉納された年月日・奉納者の名前も記されている。歴史的な資料の観点より、平成7年に中泊町指定文化財に指定されている。

御祭日

例祭  : 8月14・15・16日

御祭神

・ 深沙大権現

御祭神の御利益

【深沙大権現】
・ じんしゃだいごんげん
・ 三蔵法師がインドを往復したときの守護神
・ 憤怒の相・全身赤色・左手に青蛇の『深沙大将』と結びつけられ、深沙大権現と
・ 仏教の守護神
・ 『大般若経』を守護する十六善神の一つ
・ 観音菩薩or多聞天の化身
・ 修験道では慧印六段法の加行本尊
・ その際は鬼神形ではなく、唐服を着ている。道教神で冥界の神である泰山府君と習合した姿をしている


《容相》
・ 2臂
・ 忿怒相
・ 腰布だけを身に付けた力士型の裸形
・ 腹部には子供の顔を現す
・ 首に髑髏の装身具
・ 左手には青蛇を持つ
《御利益》
十種勝利、四種果報

十六善神とは?

・ じゅうろくぜんしん
・ 十六尊の大般若経を守るとされる護法善神のこと
・ 別称として『般若十六善神、十六大薬叉将、十六夜叉神、十六神王』などがある
・ 十六善神図は日本各地で作成
・ 四天王と十二神将を合わせたものとも言われる

神社と土俵

・ 境内には土俵がある
・ 相撲をとって豊凶を占うため
・ もともと相撲とは神事の一つ
・ 相撲の歴史は垂仁天皇7年(前23年)に、当麻蹴速と野見宿禰という人物が力比べをしたことに発する
・ このときに勝利した野見宿禰が相撲の祖神
・ 弥生時代になると相撲は『農耕儀礼』の一つに発展
・ 五穀豊穣を占うための道具の一つとして相撲が行われる
・ 【神事相撲】という
・ 奈良時代に入ると天皇家の年中行事の一つに
・ 平安時代には五穀豊穣を占う国家行事に。これを【相撲節会】と言い、現在にもその伝統が受け継がれていく
・ 有名どころで愛媛県にある大山祇神社では、御田植祭・抜穂祭のときに『一人相撲』が行われる


・ 神事相撲の名残として、大相撲にも見ることができる
・ 『四股を踏む』『土俵に塩をまく』の動作は、地霊を鎮め邪気を祓い清めるという神事
・ 四股は『醜(悪霊・邪気)』と書く
・ 四股を踏むことは【醜を踏んで祓う】ということ
・ 力士のことは『地中の邪気を祓う人』ということから【醜名】が転じて【四股名】となる
・ 大相撲の本場所初日前日に行われる『土俵祭り』がある。これは五穀豊穣を祈る神事相撲の名残が現在の大相撲に残る儀式
・ 土俵に携わる人々が列席して行われる。場所が始まる前の新しい土俵の上で行われる
・ 祭主は立行事が口伝で受け継いだ言葉で、相撲の始まり・土俵ができるまでを唱える
・ 土俵の中央に四角い穴をあけ、そこに縁起物を納める。これを【鎮め物】という。納め、御神酒をそそいで穴を埋めて神へのお供えとする

青森県と相撲

・ 大奥の力士を輩出する青森県
・ 筆者の地元にも力士がいた
・ 小学生の頃はクラスに何名か相撲を習って居た友人がいた
・ 初代若乃花や隆の里、舞の海、貴ノ浪、安美錦、高見盛など有名な力士。今場所(令和6年5月場所)から帰り入幕を果たした宝富士。先場所優勝した尊富士なども青森県出身力士
・ 歴代幕内力士数が最も多い
・ 87人。それに続く都道府県が70人台
・ ブサカワ犬として知られる『わさお』の鰺ヶ沢町出身の力士は舞の海。鰺ヶ沢にある海の駅に『鰺ヶ沢相撲館』と呼ばれる資料館がある
・ 主に舞の海関に関する資料館だが、歴代県内出身者の紹介もある
・ 相撲は青森では400年以上前の、天正年間から資料に出てくる
・ 三代藩主である津軽信義の時代になると、お抱え力士が登場し繁栄していく
・ 歴代藩主が相撲好きだったこともあり、現在にもその文化が根付き、現在でも相撲大会は開かれているとか
。 昔から厳しい環境下にあり貧乏だった青森県。回し一つで、五穀豊穣の祈願と感謝をすることができる神事。ここから宮相撲へと結びつき、大衆の支持を得て娯楽へと発展していった

境内の様子

【入口の鳥居】
笠木  : 水平
島木  : なし
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 笠木の断面が下方斜め
・ 神明系鳥居の【宗忠鳥居】
・ 材質は木造
・ 朱色だが所々はがれている
・ みすぼらしい雰囲気は無い

【参道】
・ 桜の季節だったこともあり境内の桜が綺麗
・ 殆ど満開の状態
・ それぞれの建造物へとのびる路はコンクリート舗装されている
・ 凸凹もなく歩きやすい
・ 参道以外は草道だが、泥濘などもなく歩きやすい
・ よく整備されている

【弁財宮手前の鳥居】
笠木  : 反り増しあり
島木  : あり・反り増しあり
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 柱の前後に稚児柱がある
・ 入口の鳥居とは違い、綺麗に朱色に塗られた鳥居
・ 明神系鳥居の発展形の【両部鳥居】
・ よく見るタイプの鳥居

【弁財天宮】
階層   : 平屋
材質   : 木造
建築様式 : 入母屋
屋根の特徴: 妻入
屋根の材質: 鉄板葺
・ 鳥居をくぐると小さいながらも太鼓橋
・ 池の真ん中にあるのが弁天宮
・ 上部には藤棚。季節になると紫や白の花が咲くのだろうなぁ
・ 行け周りにはフェンスがある。当院の方にお聞きしたところ、近所の子供の安全に考慮したということの他に、普通に落ちる大人がいるとか…。祭事的な時になのかな?
・ 以前は蓮があったが昨年大量発生したザリガニの被害に遭われたとのこと
・ ドジョウも住んでいるとのこと。このときはカエルの大合唱がお出迎えしてくれたが…
・ 御社殿は壊れている箇所や色が褪せているような箇所は無く、古いながらも綺麗にされている印象
・ 小さいながらもしっかりとした造りをしていた 
・ 弁天宮の前に居るのは…龍かな?
・ 狛犬ではない。髭があるから多分、龍だろう

【富野猿賀神社・一の鳥居】
笠木  : 水平
島木  : なし
木鼻  : なし
楔   : ないし
額束  : あり?
その他 : 形的には…
・ 神明系鳥居の【宗忠鳥居】なのだが…
・ 宗忠鳥居ならば額束の位置には何もないのだが?
・ 綺麗で真新しい朱色の鳥居
・ 他の鳥居とは違い新築なのか?

【二・三の鳥居】
・ 一の鳥居同様な形式
・ こちらは色が剥げたりしている
・ 一部分は朽ちている箇所もある
・ 多分だが、二の鳥居が元々の一の鳥居だったのではないだろうか?
・ 古くなってきたことがあり新築したのだろうか?

【二・三の鳥居の間に鎮座される狛犬】
髪・眉 : 前髪はカールしており眉が隠れている
口・歯 : 上下に二本ずつ牙がある。普通の歯は小さく四角い。薄い唇有り
髯   : 口周りと顎に先がカールした髯が生えている
耳   : 伏せ耳で横に伸びている形
目・鼻 : 鼻は小さ目の獅子鼻。目は楕円形で、丸い瞳がある
毛・尾 : 尻尾は立ち尾。毛並みは体に張り付いている
手足  : 手足は細目
姿勢  : 背筋を伸ばしたお座り
・ ピンと背筋を伸ばし凛々しい表情
・ 大きい獅子鼻と楕円形の眼から、浪速系統の狛犬か?
・ 細身の体。全体的にシュッとしている
・ 唖形の狛犬は『ガハガハ』と笑いそうな豪胆そうな見た目
・ 吽形型はそんな唖形型を生暖かい目で見ているような感じ

【ウマ】
・ 石造りのウマ
・ 奉納馬
・ 祈雨の御神徳
・ 米所ってのもあるのかなぁ?
・ ズングリとした駒
・ 下北の寒立馬っぽい、手足が太い

【手水舎】
・ 建物は無く『手水鉢』
・ 鉢のみで水は入っていない
・ 石造り

【三の鳥居をくぐった先の狛犬】
髪・眉 : 前髪カールし眉は隠れている。髪先はカールしている。後ろ髪は腰まで伸びており長め
口・歯 : 集めの唇。四角い歯が並ぶ。牙は確認できず
髯   : 口周りに短くカールした髯が生えている
耳   : 伏せ耳だが、後方に伏せている状態
目・鼻 : 釣り目の楕円形の目。丸い瞳。大きな獅子鼻
毛・尾 : 毛並みは流れているように体に張り付く。後ろ足の毛並みは雲のような形。立ち尾だが、身体の割に小さ目。真ん中が経ち、そこを中心に左右に流れるように分かれている
手足  : 大地を踏みしめるように大きな手足
姿勢  : 若干前傾姿勢のように見えるお座り
・ 見た目からこちらは先の狛犬よりも新しめ
・ 目力も強いが、全体的に強そうな見た目
・ 犬というよりも獅子のような見た目。獅子舞に似ている
・ 子供の狛犬も強そう
・ 唖形型の足元には毬…なのだが、サッカーボールにも見えてしまう
・ 唖形型・吽形型共に豪快そうな見た目

【御社殿前の狛犬(手前)】
髪・眉 : 前髪カールして眉は隠れている。髪の長さは短め
口・歯 : 薄い唇。小さい丸みを帯びた歯。先があまり尖っていない牙
髯   : 顎にパヤパヤと生えている
耳   : 伏せ耳
目・鼻 : 延に近い楕円形の目。鼻は小さいが獅子鼻
毛・尾 : 毛並みは短く張り付く。立ち尾
手足  : がっちりとした手足
姿勢  : 少し背中を丸めたお座り
・ ちょうど良い大きさの狛犬
・ よく見かける大きさと見た目
・ 体は小さいが手足はがっちりと筋肉質
・ 出雲・越前・難波のどの系統にも似ていない狛犬
・ なのだがよく見かける狛犬

【御社殿前の狛犬(奥)】
・ 二・三の鳥居の間に鎮座される狛犬に似ている
・ 先の狛犬よりもしかめっ面
・ 相変わらず良い姿勢

【御社殿・御拝殿】
階層   : 平屋
材質   : 木造
建築様式 : 入母屋
屋根の特徴: 妻入
屋根の材質: 鉄板葺
宮彫り  : 龍
木鼻   : 獅子・ゾウ
・ 神社の御社殿は大きく立派
・ 木鼻のゾウの表情はにやにやしているように見える
・ 千鳥破風の下には懸魚
・ 太く立派な注連縄
・ 御社殿の階段上からの眺めは、色どりが良い見た目
・ 御拝殿内も外観同様に広い。横長
・ 奉納品の中には地元の関取『出羽ノ花』のモノが
・ 和風なモノから中華風、洋風な様々な吊るし飾りが奉納されていた
・ おみくじの棚の上には味のある形状の獅子舞
・ 北前船の絵も飾られていた。同じようで意外と同じではない絵が…
・ 神様が鎮座されている場所から一番近い場所なのだが、すごくカラフル。厳かな雰囲気なのは変わらないが、賑やかな見た目

【土俵】
・ 現役で使われている土俵
・ だけど訪問時は植木鉢が置かれていた
・ 関係者の方にお聞きすると、小学生時代の宝富士関や阿武咲関、尊富士関も相撲をとっていたとのこと
・ 現在も大会が開かれているとのこと
【ステージ】
・ お祭りの際に使われているとのこと
・ 最近は某感染症により中止していたが、徐々に解除していっているとのこと

【般若寺御拝殿】
階層   : 平屋
材質   : トタン・木造
建築様式 : 入母屋
屋根の特徴: 妻入
屋根の材質: 瓦?
宮彫り  : 男の子と女の子
唐破風  : 玄武っぽいねぇ
木鼻   : 獅子
・ 入口は二重玄関。雪国で豪雪地帯だからなぁ
・ 中に入ると時代だからなぁ…手指消毒の機械があった
・ 拝殿内は豪華絢爛さは無いが、質素で厳格な感じ
・ 読経が響くようになのかマイクも設置されている
・ キラキラ・ギラギラ感は無いが、落ち着いた様子
・ 天蓋もキラキラ感が抑えられている
・ それでいて存在感をしっかりと出している
・ 唐破風の玄武は初めて見たかもしれない。朱雀とか鳳凰とかは割と見るけど…

御朱印について

・ あり

まとめ・感想

桜の時期だったこともあり弘前城に行こうと思ったが渋滞により断念。ならばと思い少し離れているが平川市の猿賀神社………弘前に負けないほどの渋滞と満車。「そうだ!芦野公園の桜は見てないなぁ~」と言うことで五所川原へ。
その道中、高速の降り口を間違えたので、近くの神社を探すとこちらの神社を発見し参拝することに。
何の縁かこちらも【猿賀神社】と。平川の【猿賀神社】と関係があるのだろうか?

期待を乗せて訪問すると、満開と八分咲きの間くらいの桜がお出迎え。神社と桜って、何だか落ち着く。

境内を見ている時のよさそうなおばあさんが、境内にある土俵のことや、弁天宮の池のことなどをお話して下さった。ステージのことをお聞きすると、某感染症の影響で最近は行われていなかった祭事も、徐々に開催していくようなことをお話されていた。

寺院と神社の境界線が見当たらない様な、不思議な場所だった。寺院と神社の二つの境内が合わさった場所のため、広くゆったりとした参拝ができた。
弘前や平川からも近い場所のため、桜の時期はこちらでのお花見(?)も良いのかも。あとは相撲好きにも良い場所なのかな?

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