法華寺/住宅街にあるのに自然山
今回二回目の訪問。
1回目は冬場(雪ないけど)に訪問。その時は留守だったため拝むこと叶わず。たまたま用事があり青森に来たこともあり再訪問。
基本情報
寺院名 : 法華寺
宗派 : 日蓮宗
山号 ; 自然山
正式名称 : 自然山 法華寺
読み方 : じねんざん ほっけじ
住所 : 青森県青森市千刈4丁目12−4
御首題 : あり
開山 : 白戸自然
開山年 : 昭和35年(1960)
歴史
開山した白戸自然は、千葉県市川市中山の大本山法華経寺の流れに属す。太鼓一枚で布教をはじめ、むつ市大字近川に一宇を建立し自然教会とした。
息子である幸男氏を中山法華経寺に修行のため上京させる。
昭和35年春に、青森市に拠点を移すことに。現在地に御堂を建立。
昭和43年に寺院設立完成。
昭和47年に御本堂を建立。
開山白戸自然は昭和49年に遷化。
法嗣良幸氏は不惜身命に燃え、中山大荒行堂での荒行を再行・参行を終える。
昭和54年の宗祖700遠忌記念事業として御本堂・書院・祈祷道場・庫裏などを建築完成し、現在に至る。
日蓮宗の荒行
・ ワイがお世話になっている日蓮宗のお寺の住職も先日終えている
・ 帰山式にも伺ったが、終始感動していた
・ 日蓮宗の【荒行】は、その修行の厳しさから『世界三大荒行』の一つに数えられる
・ 他の二つは『天台宗比叡山の千日回峰行』と『インド仏教の修行=ヨーガ』
・ 御上人様は100日を千葉県にある正中山遠壽院荒行堂で行っていたとのこと
・ 大荒行を5回終えた僧侶には【伝師相承】の称号が与えられる
・ 起床午前2時半。水行を3時・6時・9時・12時・15時・18時・23時に行う。食事は朝5時半・夕方5時半の2回。それ以外のすべての時間は法華経を読経し、撰法華経を写経、相伝書の書写行を行う
・ 行は四段階に分けられる
・ 第一段【自行の行法】、第二段【儀軌相承】、第三段【木剱相承】、第四段【口伝相承】
・ 第一段はさらに秘妙五段に分けられる。一段を7日として35日間は、滅罪の祈りをささげる。この期間は面会は一切許されない
・ 第三段【木剱相承】は年明けとともに始まる
日蓮宗について
・ 十三宗派の一つ
・ 日蓮聖人により1253年に開宗された宗派
・ 御本山は山梨県南巨摩郡身延町にある久遠寺
・ 『法華経』を至上とする教え
・ 【南無妙法蓮華経】の御題目を唱えることで救いがもたらされる
・ 弘安4年に建立された久遠寺では、開祖と同信徒の結びつきを強める荘厳な祖師堂が強い存在感を出している…らしい(見てみたい)
・ 日蓮は比叡山や諸寺で学ぶ
・ 辻説法によって積極的な布教を行う
・ 鎌倉幕府より流罪に処されたこともある
・ 日蓮宗と【日蓮正宗】は違う
日蓮宗と日蓮正宗の違い
・ にちれんしょうしゅう(せいしゅうじゃなかったんだ…)
・ 総本山は『多宝富士大日蓮華山大石寺』という静岡県富士宮市にある
・ 日蓮宗と日蓮正宗の違いは「本仏に関する考え方」
・ 日蓮宗→日蓮聖人
・ 日蓮正宗→大菩薩、日蓮大菩薩
・ 両宗派共に日蓮聖人の教えを大事にしている
・ 日蓮聖人の入滅後に、仏法を守らない人がいた。そのため久遠寺を離れた日蓮聖人の弟子である日興上人により1290年に創建
・ 日蓮正宗が考える末法の本仏は【日蓮大聖人】
・ 日蓮大聖人が存命中に法華経の極理を著したのが『曼荼羅』。この曼荼羅を御本尊とする考え。その御本尊に向かって経を唱えることで、人にも仏の境涯があらわれると説いている
・ 因みに創価学会は以前は日蓮正宗に所属していた
おてらおやつクラブ?
・ 御首題を拝受している間に、気になるチラシを発見する
・ 【おてらおやつクラブ】なるもの
・ 初めて見たなぁ
・ お寺にある様々な『お供え』を、仏さまからの『おさがり』として子供をサポートする支援団体の協力の下、様々な事情などを抱えるひとり親家族へと『おすそわけ』する活動
・ お菓子や果物などの食品だけでなく、日用品もお届けしている
・ 全国各地にあるお寺と子供・ひとり親家庭を支援する各地域の団体を繋げる
・ お供え物を無駄にしない活動だと思う。食物ロスにもつながるのでは?
・ 47都道府県の約1500ヶ寺が参加されている。宗派の垣根を越えての活動
・ 「苦しみを知り、苦しみから逃れるための教え」はお釈迦様の慈悲の実践活動ともいえる
・ お供え物をあげても捨てるのはもったいない。少しでもこういった活動が行われていること、活動自体が広がってほしい
おてらおやつクラブの発足って?
・ 2013年の大阪市母子餓死事件で残されていたメモから、クラブが動き始めたとのこと
・ 奈良県の『安養寺』さんから「ひとり親家庭へのおすそわけ」がスタート
・ 凄いのは最初は個人からの活動だったこと
・ 2014年から【おてらおやつクラブ】としてスタート
・ 徐々に広がっていき、2015年には募金箱の設置が開始
・ 2017年になると特定非営利活動法人に
・ 徐々に広がっていき、ギャラリーでの企画展を開いたり、グッドデザイン大賞に選ばれたりとしていくことに
・ 支援の形は寄付だけでなく、ふるさと納税やボランティアなどもある
・ よく地域で行っている『こども食堂』とは違う活動
境内の様子
【参道】
・ 山門は無い
・ 本当の住宅街の一角に存在する
・ 門を入り数歩で御拝殿に行きつく
・ そういえば御題目石も見なかったなぁ
【手水舎】
・ 門から入り直ぐのところにある
・ 四脚の建造物
・ 水は入っていない
・ 小さいが綺麗にされている
【水子地蔵堂】
・ プレハブで、手水舎の隣にある
・ 雨風しのぐことができる。何なら雪害もなんのその
・ 広くは無いがお供え物のおもちゃなども大事にされている様子
【御拝殿・御本堂内】
階層 : 平屋
材質 : 木造・漆喰・コンクリート製
建築様式 : 入母屋
屋根の特徴: 平入
屋根の材質: 鉄板・トタン?
その他 : 唐破風の軒
・ 屋根は赤色で雪が流れ落ちそうな形
・ 玄関には『橘』の家紋
・ 日蓮宗の開祖である日蓮だけでなく、戦国大名の井伊氏なども使用していた家門
・ 常世からもたらされた果実が『橘』
・ 唐破風の軒は雨だけでなく雪などの時も安心して出入りできる
・ 左右を民家(右は御住職のご自宅)に挟まれるようにして建てられている
・ 出入口は二重玄関になっている
・ 御本堂は真正面に外陣と内陣。御浄財箱の手前が外陣で、向こう側は内陣
・ 建物は小さいが手狭な印象は無く、内陣と須弥壇は広く感じられる
・ 鐘楼は無いが『鐘』はあった
・ 外陣側に『平和の鐘』が
・ しかもこの鐘、戦艦【陸奥】の遺材だってさ
・ 鐘と言えば鳴らすしか無い!ということで鳴らすことに。結構良い音色が…
・ 此処は青森だし…だから陸奥か?
御首題について
・ あり
・ 達筆
まとめ・感想
以前訪問したときは留守だったため断念したが、春先に訪問すると快く応じてくださった。
堂内に入ると左に位牌堂が配置されていた。壁一面に整然と並ばれていた。
拝殿内は外から見ても小さく見えたが、中は小さいが整理されており思った以上に広く感じられた。
御上人さんも気さくな方で、急な訪問だったが笑顔で御首題に応じてくださった。御首題を頂くと「御布施にどうぞ」とお菓子とお茶も頂いた。
御首題をいただいた後に、ご住職さん「どちらの寺院で?」→ワイ「おいらせ町の唯円寺で…」→ご住職さん「ああ!僕の先輩で、とても良くしてくださる方です。よろしくお伝えください」という会話があった。以前弘前や岩手県の花巻のお寺さんに訪れた際にも同じような反応が?好意的にとらえられる発言の数々…良い意味で有名な方なのだろう。今度お参りしに行こうと思う。