長円寺/笑顔一つを友として
五所川原にある飯詰八幡宮さんから車で数分の場所にある長円寺さん。このお寺には『幸福大佛』なる大仏様が居られる。どんな大仏様で、どうして『幸福』が付くのだろうか?他にも見どころがあるかもしれない。ここはひとつ行って見よう!
基本情報
寺院名 : 長円寺
宗派 : 曹洞宗
山号 ; 太伊山
正式名称 : 太伊山長円寺
住所 : 青森県五所川原市大字飯詰字福泉224
御朱印 : あり
開山 : 津軽藩主菩提寺長勝寺十四世・聖眼雲祝大和尚
開山年 : 寛文7年(1667)
駐車場 : あり。駐車場は広い
御本尊 : 釈迦如来
その他 : 幸福観音に逢えるお寺
歴史
創建の年代についての詳細は、火災により記録が焼失し不詳。
寛文7年(1667)津軽藩主菩提寺長勝寺十四世聖眼雲祝大和尚が開山した、と伝えられている。
青森県重宝に指定されている梵鐘は沈鐘伝説で有名。
長円寺の梵鐘の製造年や、日本海での外国船関連の歴史により、創建年代が焼失しているが、これらよりも前ということは分かるだろう。
文化財について
【梵鐘】
製造年 : 正徳6年(1716)
作成者 : 京都三条出身の鋳工師近藤丹波藤久
高さ : 127センチ
口径 : 77センチ
厚さ : 8センチ
重さ : 1トン
材質 : 青銅製
彫刻 : 笛・太鼓・天女・唐獅子など
その他 : 昭和37年(1962)に青森県重宝に指定
・ 弘前の長勝寺と長円寺の梵鐘は、雌雄二つが鋳造された
・ 日本海の会とで運ばれている途中、暴風により十三湖で沈没
・ 長円寺の梵鐘だけが引き上げられた
・ 長勝寺の梵鐘は引き上げることができなかった
梵鐘の伝説
・ 寛政年間に外国船が日本海に出没
・ 海岸防衛のために大砲が必要となり、梵鐘を材料にしようとした
・ 急に重くなり動かすことができなくなった
・ その後も火災・太平洋戦争の供出なども回避
・ 梵鐘を衝くと『十三恋し、十三恋し』と響く。十三湖の湖底からは『長円寺恋し、長円寺恋し』と鐘の音が響くという
幸福観音について
・ 平成6年1月に、本堂・位牌堂を火災で焼失
・ 2年後に再建
・ 祭神時にお祝いとして、東京の間山さんご夫妻が観音像を寄進
・ 当初は小さな観音像だったが、愛知県岡崎市で出会った観音像(18尺5寸)
・ 日本を代表するにふさわしき立ち姿、美しき観音像
・ 拝まれる人も幸せにと名付けられたこともあり、各地から観音像を参拝する方々が多い
・ 大体大きさは5.6メートル
・ 「しあわせの会」の御本尊
・ 拝んでいると幸せになりそうな、笑顔が自然と浮かんでくる
境内の様子
【六地蔵尊】
・ 入り口から入ってすぐに鎮座
・ 正式名称は【南無六地蔵尊】とのこと
・ それぞれ慈悲深い表情
【涅槃像】
・ 横になられている涅槃仏
・ 天を見上げるように眠られている
・ 涅槃像の由来は、5歳で生涯を終えて浄土へと旅立ってしまった三浦家の子供のために、菩提寺である当寺院へと寄進された
・ 大きな御仏の御傍にお仕え、明るく見守ってくれる
・ 寺院の中でも周りには木々は少なく、天が開かれた場所に鎮座されている
【幸福観音】
・ 亀が由来所や『幸福観音碑石』を担がれている
・ 石碑の周りは龍神様
・ 観音様の周りを多くの地蔵尊が寛がれている
【カメ】
・ 大地を支える聖獣
・ ヒンドゥー教の三代主神の一柱・ヴィシュヌ神の化身の一つ
・ 吉祥
・ 水陸を自由に行き来できることから、『あの世』と『この世』を結ぶ神の化身
・ 海神の遣い
・ 延命長寿、病気平癒
【一切精霊供養塔】
・ 数多くの地蔵尊
・ 地蔵尊と十二支
・ 一つ一つ表情が違っており面白い
・ お地蔵さまだが、どこか俗物っぽくて、人間臭い仕草を見せている
【梵鐘】
・ 津軽伝説の鐘『恋の津軽十三湖』。どうやら歌は長山洋子さんらしい
御朱印について
あり
まとめ・感想
飯詰八幡宮参拝後にそのままこちらの寺院を参詣する。
入口の『幸福観音』に惹かれての訪問。観音様がどういう経緯で此方におわすのか、どんな意味があるのかの予備知識なしでの訪問だった。
入ってすぐに涅槃像や六地蔵尊像のお出迎えを受け、その後境内の中まで入ると多くの地蔵尊像と観音様に出会うことができた。
幸福観音様以外にも、境内のいたるところに鎮座されているお地蔵様。一つ一つが慈悲深いものから俗物っぽい、妙に人間的な表情のものまで数多く居られる。
見学中は思わずこちらも笑顔が出てしまうような仕草をしたお地蔵様にも出会える場所だった。