【賽の河原地蔵尊】青森に存在する恐山以外の霊場
寺社名 : 川倉賽の河原地蔵尊
住所 : 青森県五所川原市金木町大字川倉字七夕野426-1
宗派 : 地蔵菩薩を祀った地蔵尊だが、どこの宗派にも属していない
御朱印 : あり(要連絡必要とのこと。筆者は訪問時に知ったので、後日の予定)
史跡 : 町指定文化財。昭和57年8月10日
開創 : 慈覚大師
歴史・縁起
開創は恐山と同様。
違う点は、天空から『お燈明が降り、そこを掘ると一軀の地蔵尊が見つかる』というもの。
この地蔵尊を安置したのが、この川倉の賽の河原の始まりと言われている。
星空の美しさに呼応する伝説として残る。
境内は急峻な坂道がある、この近辺の古街道の中でも随一の難所だった。樹齢300余年の黒松が植えられている。
嘗ては、過酷な田畑の草取りが終わると家族ははじめて一息つき納涼になる。老若男女問わずにこの地に集まり、唄に踊りに一夜を明かす。(敬老の日の由来にも似ているが、何か関係があるのか?)
この夏祭りの日は、一年の中でも最も暑く、そして暗い晩は奇しくも祭典日である。
この地は民間信仰のメッカとして支えられ、大衆からも親しまれている。
恐山同様に、イタコの霊媒の場所としても有名。
川倉賽の河原
貴賤貧富を問わず、陸続と団子上げの参拝者が足を運ぶところ。
津軽霊場。
自然と対話する、お地蔵様の郷。
門?それとも鳥居か?
神社ではないが、神社の鳥居に似ているため、持っている神社の鳥居の本を読み、どんな意味があるのかを見ていこうと思う。
・ 笠木の下に島木がある。
・ 外側に向かっての反り増しがある。
・ 額束あり。
・ 島木の下の柱に注目。貫が柱の外に飛び出している。
・ 一番の特徴は笠木の上の三角の装飾。
【結論】
明神系の山王鳥居か、若しくは変形鳥居・山王鳥居か?。
合掌鳥居とも言われる。神仏習合の神道・山王神道のシンボルとのこと。
社殿の彫刻の構図
鳳凰と地獄の風景か?
・ 鳳凰は聖天子のシンボルで瑞祥をもたらす霊鳥。
・ 下の鬼により虐げられた人々が、地蔵尊により助けられる構図に似ている。
地獄の鬼と死者を救済する構図だと思われる。
賽の河原・お地蔵様と言うことで、水子の救済を行っているのではないか、と筆者は考える。お地蔵さまと子供は縁が深い存在。
幼い子供が課せられている終わりの無い苦行から、お地蔵様が救済に訪れたのではないだろうか?
お地蔵さまはそのほかにも、地獄における衆生の苦しみから救う存在でもある。そしてその歴史も長いという…。
雰囲気
芦野公園近くにある。桜が綺麗な公園で穏やかな場所だが、この河原の門の前に立つとヒンヤリとした張りつめた空気を感じた。
拝殿の中を見ることは叶わなかったが、外からでも厳かな場所で、スピリチュアル的なことを感じなくても、軽い気持ちで入ってはいけない何かが感じられた。
ここまで来る道中は静かで、昔の観光地を感じさせるようなレトロ的な商店もあり、筆者的には落ち着く場所に感じられた。
後日…と言うよりも、できれば春の桜の季節にもう一度訪れたい場所の一つ。
芦野公園は桜の名所でもあるから。
その時はしっかりと連絡を入れ御朱印は勿論だが、寺社内の見学もしっかりとしていきたいと思う。