近場や穴場の神社紹介。地元の紹介。

  1. ホーム
  2. 寺院
  3. 【法光寺】青森県南部町 南部小富士から見える古刹

【法光寺】青森県南部町 南部小富士から見える古刹


鎌倉幕府第五代目執権・北条時頼公開基
曹洞宗別格地

 白華山 法光寺
 

御由緒・歴史

 700余年前、鎌倉幕府第五代目執権・北条時頼公の時代に、彼が諸国を旅していた時の話。美しい名久井岳を見て、彼は山奥まで登った。
帰途中腹にある寺に一晩の宿を求めるも断られ、やむなく山奥にある庵寺に宿を求め快諾される。庵寺の和尚はありあわせの品で心からのもてなしをする。時頼公は甚く感激し、翌朝自身の扇子の表に『壱千石名久井通り右永代可令地行也』と書き寝室において下山した。
下山途中で和尚と出会う。和尚は「朝食を用意できなかったので、宅鉢をした帰りだった。もう一度寺に…」と提案するが、時頼公はその好意に感謝しつつも別れた。そんなやり取りがあったこの地名を『出会坂』と呼び、現在にも伝えられている。
また時頼公は扇子の表の他に、裏には詠歌と花押を記している。
『水結ぶ 名久井が岳が 岳を眺むれば 海より出でて 山に入る月』
 翌年時頼公の死者が参り、庵寺に七堂伽藍経堂を建立する。そしてこの地を
【曹洞宗 白華山 法光寺】
とした。
                          ※(参拝のしおり参考させていただきました)

開基・開山

開基 : 北条時頼公
開山 : 捐城和尚
山号 : 白華山
 ※由来は門の下の蓮の池から
明治年間に火災で焼失するが再建。
昭和24年に三重塔(承陽塔)を建立。
 ※現存する三重塔の中で日本一大きい

近くに行って見ると大きい。冬場は近づくのが困難だけど、現場に着くと感動する。南部は降らないといわれているけど、雪国の人間でも躊躇したくなる積雪量…。

北条時頼公について

 何度も文章中に出てくる北条時頼について。
筆者は神社も好きだが、歴史関連の方が大好き。特に平安末期から鎌倉中期ころまでの歴史は…。

 それでは北条時頼について簡単に…。
・ 鎌倉幕府第五代目執権。
・ 前将軍の九条頼経と名越光時の陰謀を防ぐ。
・ 1247年宝治合戦で、三浦氏を滅ぼす。
※この三浦氏、源頼朝を助けた三浦親子の子孫にあたる一族。さらに三浦一族は滅亡したが、その系譜は細々と後世に残っている。分家ではあるが有名どころで、蘆名森氏・佐久間信盛・由井正雪・石田三成。元は平氏直系の家系というのも面白い。
・ 北条得宗家の力を強化。
・ 宗尊親王を将軍に迎える。
・ 権力確保に努めた一方で、御家人や民衆に対しても善政を敷いた名君。
・ 能の演目である『鉢の木』に登場する「廻国伝説」で、彼が民情視察のために諸国を漫遊したことを物語にしている。水戸の光圀公かな?
・ 曹洞宗開祖の道元を鎌倉に招いている。
※因みに時頼の息子である時宗は日蓮上人を佐渡に流罪した人物。

お寺の宗旨

・ 曹洞宗(禅宗)
・ 日本では760年ほど前に道元が開かれる。
・ 本尊は釈迦牟尼仏


御朱印の有無

御朱印有り。

三重塔が国の文化財に指定されている。

お寺の雰囲気

 名久井岳の近くにあるお寺。冬場は雪に埋もれている。南部地方は比較的雪が少ないといわれるが、矢張り山間部は寒いし積雪がある。そんな中でも堂々と存在感を放っていたのが三重塔だった。
冬と夏に訪問したが、見せる景色は全くの別物と言っていいだろう。
 わいが訪問したのは季節の他に1回目の冬場は2015年。実に7年もの歳月が経っていた(このころは御朱印なんて知らんかった)。7年の歳月は大きく、一番変化していたのは山門立派になっていたことだろうが。以前は時代を感じられるものだったが、現在の門は四天王が堂々と入山する者を見定めているような、守護しているような感じを受けた。

 また三重塔は青龍寺の五重塔とはまた違う迫力を見せてくれていた。山奥に聳え立つ三重塔は季節問わずに圧倒するだろう。
市街地からも離れており隔絶した空間にあるため、静かな場所だった。立派な寺であることから張り詰めた空気を出しているかと言えば、そういう雰囲気は感じられない。静かにくるものを拒まぬ、という空気を出している心を落ち着かせてくださる場所に感じられた。
 山奥にあるため道中は案内板があるが「こっちで合ってるかな?」と思わせてくれる。そして見落としやすい。ワイは普通に見落として、名久井岳の方まで行きそうになった。
 昨今の温暖化で春夏秋冬があいまいになりつつあるが、各季節で違う顔を魅せてくださる景色を持つ場所は何度も訪れたいと思っている。

住所

青森県三戸郡南部町法光寺20
霊峰名久井岳の近く。
※南部地方とはいえ冬場は寒く、道路も凍結するため注意が必要。山間部のため積雪も多いため、参拝時は足が埋まるおそれあり。ワイは普通に埋もれた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA